PCゲーマー、特にFPSをプレイする人間には、どうしても越えられない壁があります。
「反射神経は衰えていないはずなのに、撃ち負ける」
「敵のストッピング(止まって撃つ動作)が、自分より明らかに速い」
練習不足? 回線ラグ? いえ、もしかしたら原因は「キーボード」にあるかもしれません。
今、FPS界隈を席巻しているデバイスがあります。
プロゲーマーの使用率No.1、あまりの性能に「Pay to Win(課金して勝つ)デバイス」「ハードウェアチート」とまで呼ばれるキーボード。
それが、『Wooting60HE +』です。
価格は約30,000円〜35,000円(輸入送料込)。
「キーボードに3万越え…」と足踏みしていますが、ランクマッチで沼にハマっている僕は、このデバイスを買えば“上の世界”に行けるのではないかと、毎日公式サイトと睨めっこしています。
しかし、これはあくまで「ゲーム特化」の道具。仕事や普段使いには致命的な弱点もあるようです。
今回は、購入ボタンを押す寸前で理性を保っている僕が調べ上げた、Wootingの「神性能」と、覚悟しなければならない「できないこと(デメリット)」について、徹底的にまとめます。
Wooting 60HE+とは?「ラピッドトリガー」の元祖にして頂点
なぜこのキーボードだけが特別扱いされるのか。
それは、Wootingが世界に広めた革新的な機能「ラピッドトリガー(Rapid Trigger)」にあります。
従来のメカニカルキーボードは、キーを押し込んでONになり、一定の深さまで戻さないとOFFになりません。
しかし、Wooting(磁気ホール効果センサー)は違います。
- 押し込んだ瞬間に入力ON
- 離し始めた瞬間(0.1mm単位)に入力OFF
この「離した瞬間にOFFになる」挙動が、FPSにおけるストッピング(移動キーを離してキャラを止める動作)を物理的に最速にします。
つまり、人間が指を離そうとした意志が、ラグなしでゲームに反映されるのです。
徹底調査して分かった「評判・メリット」
YouTubeの解説動画や、海外RedditのFPSフォーラムを数百件リサーチしました。その評価は「宗教」に近い熱狂ぶりです。
① VALORANTやCS2では「人権」レベル
「導入した初日にランクが上がった」「今まで撃ち負けていた場面で勝てるようになった」という声が溢れています。
特に『VALORANT』のようなストッピングが重要なゲームでは、Wootingを使っているかどうかで勝率が変わると言われるほど。デバイスで実力差が埋まるなら、3万円は安い投資かもしれません。
② 設定ソフト「Wootility」が優秀すぎる
海外製デバイスにありがちな「設定ソフトが重い・バグる」という問題が、Wootingには皆無だそうです。
Webブラウザ上で動作する「Wootility」を使えば、ソフトをインストールすらせず、0.1mm単位のアクチュエーションポイント(反応点)変更や、ラピッドトリガーの感度調整が可能です。
この「ソフトウェアの安定性」こそが、後発のRazerやSteelSeries製品に対するWootingの最大の強みと評価されています。
③ アナログ入力による「ぬるぬる移動」
キーの押し込み具合を検知できるため、キーボードなのにコントローラーのアナログスティックのような操作(ゆっくり歩く、車を微妙に曲げる等)が可能です。
レーシングゲームや『GTA』のようなオープンワールドゲームでも、没入感の高い操作ができるという意外なメリットもありました。
【重要】購入前に覚悟すべき「できないこと」・デメリット
ここが一番の悩みどころです。「ゲームには最強だが、道具としては不便」という側面が浮き彫りになりました。
1. 仕事(文章入力)には完全に不向き
ラピッドトリガーをONにしたままだと、キーに指を乗せただけの微細な振動で文字が入力されてしまい、「誤入力(タイプミス)」が多発します。
また、60%配列(テンキーレスよりさらに小さい)のため、「矢印キー」「Fキー(F1〜F12)」「Deleteキー」が独立して存在しません。
Fnキーとの同時押しで対応できますが、Excel作業やブログ執筆で頻繁に矢印キーを使う僕のような人間にとっては、拷問に近い仕様です。
2. 打鍵音と打鍵感が「安っぽい」?
「カシャカシャ」という軽めの打鍵音で、HHKBや高級カスタムキーボードのような「コトコト」感はありません。
ケースがプラスチック製で空洞音が響くため、音にこだわるユーザーは別売りのアルミケースに換装したり、内部にフォームを詰めたりと、改造(Mod)を前提にしているケースが多いようです。
3. 入手が面倒(英語配列のみ)
現状、Wooting60HE +は基本的に公式サイト(海外)からの個人輸入か、正規代理店での予約待ちになります。
(Amazonでも少し割高ですが入手は可能です。)
そして配列は「US配列(英語配列)」のみです。普段JIS配列(日本語配列)を使っている人は、エンターキーの大きさや記号の配置の違いに慣れるための修行期間が必要です。
Wootingには入力遅延を極限まで減らす「Tachyon Mode」がありますが、これを使うとLEDの輝度が制限されたり、CPU負荷が若干上がったりするそうです。
勝利のためには些細なことですが、キラキラ光らせたい人は設定に注意が必要です。
Wooting 60HE+ 設定方法:買う前に予習しておくべきこと
届いてすぐに最強になるための設定もリサーチしました。
1. ラピッドトリガー感度は「0.15mm」から始める
最強設定は「0.1mm」ですが、これだと指の震えで誤爆します。プロの多くも「0.15mm」付近で調整しているようです。
2. 「Mod Tap」機能で矢印キー問題を解決
Wootingの神機能の一つ。「右下のShift、Ctrl、Menu、Ctrlキー」を、「短く押したら矢印キー、長押ししたら元のキー」として動作させる設定ができます。
これにより、60%キーボードの弱点である「矢印キーがない」問題を擬似的に解決できます。これを設定できるかどうかが、普段使いできるかの分かれ道になりそうです。
総括:これはキーボードではない。「勝つためのコントローラー」だ
Wooting60HE +は、文章を書くための道具としては、正直おすすめできません。
配列は特殊だし、打鍵感もそこそこ、価格は高い。

しかし、「FPSで勝ちたい」という目的においては、これ以上の選択肢は地球上に存在しません。
「あの時、ストッピングが間に合っていれば…」
そんな言い訳を自分にさせないための、3万円。
僕は今、仕事用の「HHKB」と、ゲーム用の「Wooting」を、デスクの上にどう共存させるか(2台置きするか)を真剣にシミュレーションしています。
もしあなたが、コンマ1秒の世界で戦っているなら。このデバイスは、あなたのポテンシャルを解放する最後の鍵になるはずです。
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