2024年、我々RPGファンがどれほどこの日を待ち望んだことか。前作『インクイジション』から実に10年。伝説的RPGシリーズの最新作として、あまりにも大きな期待を背負って発売された『ドラゴンエイジ: ヴェールガード』。
「BioWareは、あの頃の輝きを取り戻したのか?」「本当に『バルダーズ・ゲート3』に匹敵する、次世代のRPG体験が待っているのか?」
僕も、そんな期待と不安を胸に、この壮大な世界「セダス」に降り立ちました。そして…気づけば、週末のほとんどをこのゲームに捧げ、プレイ時間は40時間を超えていました。
結論から言います。これは、我々が待ち望んでいた“本物”のRPGです。『バルダーズ・ゲート3』が「自由度のRPG」の頂点だとすれば、『ヴェールガード』は「物語体験と仲間との絆のRPG」として、間違いなくGOTY級の最高傑作であると断言します。
『ドラゴンエイジ: ヴェールガード』とは?前作からの進化点
本作は、プレイヤーの「選択」によって物語が大きく分岐していく、BioWare伝統のシネマティックRPGです。ダークファンタジーの世界を舞台に、プレイヤーは「ヴェールガード」のリーダーとなり、かつての仲間であり、今や世界を脅かす存在となった「畏怖の狼(ソラス)」の野望を阻止するために戦います。
① 映画的没入感 vs 戦略的アクション。進化した戦闘システム
戦闘は、三人称視点のリアルタイムアクションが基本ですが、いつでも時間を止めて仲間に指示を出せる「ポーズ&プレイ」の戦術的なシステムも健在です。アクションゲームが苦手な人でも、じっくりと戦略を練ることができます。
特に、今作から導入された「アビリティ・ホイール」は秀逸で、映画のように派手なスキルコンボを、直感的な操作で仲間と共に叩き込むことができます。この「自分で操作する楽しさ」と「仲間を指揮する戦略性」の融合は、完璧なバランスだと感じました。
② 主人公は“あなた自身”。無限の選択肢と、その“結果”
BioWare作品の真骨頂である「会話の選択肢」は、本作でさらなる進化を遂げています。単に会話の内容が変わるだけでなく、あなたの選択が、クエストの結末、仲間との関係、そして世界の運命にまで、重く、そして不可逆的な影響を与えます。「あの時、別の選択をしていたら…」と考えさせられる、重厚な物語体験は圧巻です。
③ 誰と旅するか?魅力(とクセ)が強すぎる仲間たち
本作のもう一人の主人公は、共に旅をする個性豊かな仲間(コンパニオン)たちです。皮肉屋の魔道士、実直な女騎士、謎多きエルフの射手…。彼らとの会話や、専用のロマンスクエストを通じて育まれる“絆”の物語は、メインストーリーと同じか、それ以上にプレイヤーの心を揺さぶります。誰を信じ、誰と愛を育むのか。それもまた、あなただけの物語です。
実際にプレイして感じた、このゲームが“神ゲー”である理由
100時間プレイしてもなお、僕が「このゲームはすごい」と感じ続けている理由です。
“あなたの選択”が、本当に世界を動かしているという実感
多くのRPGが「世界を救う」という大きな目的を掲げる中、本作は「あなたの選択が、どう世界に影響したか」を、これでもかというほど緻密に描いてくれます。良かれと思って下した決断が、後に思わぬ悲劇を生んだり、何気なく助けたNPCが、絶体絶命のピンチを救ってくれたり…。自分がこの世界に“確かに存在し、影響を与えている”という感覚は、他のどのゲームよりも強烈でした。
膨大なテキスト量と、一切の手抜きがないフルボイス
本作のテキスト量は、もはや狂気の沙汰です。メインクエストはもちろん、街角のNPCの世間話に至るまで、その世界の歴史や文化を感じさせる深い会話が用意されています。そして、その全てが(日本語版も含め)高品質なフルボイスで収録されているのです。この圧倒的な作り込みが、世界への没入感を極限まで高めています。
購入前に知っておきたいこと(PC版の要求スペックなど)
これほどの超大作ですから、いくつか注意点もあります。
① PC版の要求スペックは“非常に高い”
この美しい世界を快適に体験するには、相応のPCスペックが求められます。特に、レイトレーシングなどをONにして最高設定で遊ぶには、RTX 4070 SUPER以上のハイエンドなグラフィックボードが推奨されます。購入前には、必ずご自身のPCスペックと相談してください。
② “時間泥棒”であることは覚悟すべし
「今日はサブクエストを一つだけ…」と思って始めても、気づけば3時間経っている。それが日常茶飯事です。本作は、あなたの貴重な時間を根こそぎ奪い去る「時間泥棒」です。寝不足にはくれぐれもご注意ください。
③ アクションだけを求める人には向かない
ない
戦闘は非常に面白いですが、本作の半分は「会話」と「選択」でできています。ムービーシーンをスキップし、戦闘だけを楽しみたい、というプレイヤーには、冗長に感じられるかもしれません。
【FAQ】よくある質問
Q1. 前作をプレイしていなくても楽しめる?
A1. はい、間違いなく楽しめます。本作は「ルーク」という新しい主人公の物語であり、過去作の主要な出来事もゲーム内で丁寧に解説されます。もちろん、過去作(特に『インクイジション』)をプレイしていれば、ソラスとの因縁などが分かり、ニヤリとできる場面は無数にあります。
Q2. バルダーズ・ゲート3とどっちが面白い?
A2. 究極の問いですが、ジャンルが異なります。自由度と戦略性を極限まで突き詰めたのが『バルダーズ・ゲート3』。映画的な物語体験と、仲間との濃密な関係性を極めたのが『ドラゴンエイジ: ヴェールガード』です。どちらもRPGの頂点であり、両方プレイすべき、というのが答えです。
総括:これぞ我々が待ち望んだRPG。この冬、最高の冒険があなたを待っている
『ドラゴンエイジ: ヴェールガード』は、AIや自動生成がトレンドになる現代において、「人間が、情熱と時間をかけて作り上げた物語は、これほどまでに心を揺さぶるのか」ということを、改めて我々に教えてくれる一作です。
もしあなたが、日々の疲れを忘れさせてくれるような、深く、濃密で、壮大な冒険の物語を求めているなら、これ以上の選択肢はありません。
この冬、腰を据えてじっくりと遊ぶ一本として、僕は本作を心の底から推薦します。
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