【ARC Raiders レビュー】SF版タルコフ?いや、ここは「人間不信」になる修羅の国。PvE不在が悔やまれる理由

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「機械獣が支配する美しいSF世界で、物資を集めて脱出する」。
そんなロマンあふれるコンセプトを掲げ、元BF(バトルフィールド)開発陣が手掛ける話題作『ARC Raiders(アーク・レイダース)』

当初は「協力型PvE」として発表されながら、途中で「PvPvE(対人ありの脱出シューター)」へと路線変更された本作。僕も期待と不安を抱きながらプレイしてみましたが、結論から言いましょう。

「ゲームとしてのクオリティは高い。しかし、精神を削られる“騙し合い”に耐えられるメンタルがないと、一瞬で心が折れる」

この記事では、『Escape from Tarkov(EFT)』を愛する僕の視点から、本作がタルコフとどう違うのか、そしてなぜ「PvE専用サーバーがないこと」がこれほどまでに残念なのか。実際に体験した「PvPのダルさ(裏切り・騙し討ち)」の実態を含めて、忖度なしの本音でレビューします。

目次

『ARC Raiders』とは?三人称視点のSF脱出シューター

本作は、荒廃した未来の地球を舞台に、「レイダー」となって地上に降り立ち、機械生命体「ARC」と戦いながら物資を回収し、脱出を目指す「エキストラクション・シューター」です。

基本的なゲームループは、まさに『Escape from Tarkov』と同じ。「出撃 → 探索・戦闘 → 物資回収 → 脱出」。死ねば持っている装備を全て失う(ロストする)という緊張感も健在です。しかし、プレイフィールはタルコフとは大きく異なります。

【徹底比較】『Escape from Tarkov』との決定的な違い

「SF版タルコフ」と呼ばれることも多い本作ですが、実際に遊ぶと似て非なるゲームであることが分かります。

比較項目ARC RaidersEscape from Tarkov
視点三人称視点 (TPS)一人称視点 (FPS)
世界観レトロフューチャーSF現代戦・ミリタリー
敵(PvE)ドローン、巨大ロボット人間(スカブ、ボス、ローグ)
操作感軽快(ジェットパック等あり)重厚・リアル志向
索敵視覚情報がメイン(TPS視界)「音」が命

TPS視点が生む「待ち」の有利さ

最大の違いは「TPS(三人称視点)」であることです。壁の裏に隠れたまま、カメラ操作だけで向こう側の様子を確認できるため、FPSのタルコフ以上に「待ち伏せ(角待ち)」が圧倒的に有利です。不用意に飛び出せば、隠れていた敵に一方的に撃たれて終わります。この仕様が、後述するPvPのストレス要因の一つになっています。

【実体験】PvPがダルい…。「マナー」など存在しない無法地帯

このゲームの評価を大きく分けるのが、プレイヤー間のインタラクション(関わり合い)です。はっきり言って、今の環境は「性悪説」で動かないと生き残れません。

「屈伸」は挨拶ではない。裏切りの合図だ

他の脱出系ゲームでは、屈伸(しゃがみ連打)やボイスチャットで「撃つ意思はないよ」と伝え合い、一時的に協力したり、見逃し合ったりする文化が生まれることがあります。

しかし、『ARC Raiders』で僕が経験したのは、そんな生ぬるい世界ではありませんでした。

  • 屈伸して友好的に近寄ってきたプレイヤーが、背中を見せた瞬間にショットガンを撃ってくる。
  • 「協力してあの巨大ロボを倒そう!」とVCで共闘し、倒してドロップ品が出た瞬間に裏切って殺してくる。
  • 脱出地点で「どうぞ先に」と譲るフリをして、脱出モーションに入った無防備な瞬間にグレネードを投げてくる。

「フレンドリーな人」は、ほぼいません。いるのは「フレンドリーなフリをして、油断させて物資を奪おうとするハイエナ」だけです。この疑心暗鬼が常につきまとうプレイフィールは、緊張感を超えて、正直「ダルい」と感じてしまう瞬間が多々ありました。

注意

ソロプレイは修羅の道

パーティーを組んでいる敵に対して、ソロで勝つのは(TPS視点の仕様もあり)非常に困難です。野良で出会った人を信用するのもリスクが高すぎるため、基本的には「見敵必殺」か「全力逃走」しか選択肢がありません。

なぜ「PvE専用サーバー」がないのか?最大の不満点

僕がこのゲームで最も惜しい、そして残念だと感じるのが「PvE専用モード(サーバー)の実装がない」ことです。

「機械獣との戦闘」だけで十分面白いのに…

本作に登場する敵「ARC」は、空飛ぶドローンから、ビルほどもある巨大な多脚戦車まで多種多様です。こいつらとの戦闘は、部位破壊やギミック攻略の要素もあり、純粋なアクションゲームとして非常に良くできています。

巨大なボスを、仲間と連携して倒す。それだけで十分に楽しいのです。しかし、現状では「ボスと戦っている最中に、横からプレイヤーに撃たれる」というストレスが常に付きまといます。せっかくの面白いPvEコンテンツが、PvPの漁夫の利(ハイエナ)の餌にしかなっていないのが現状です。

EFTですらPvEを実装した時代に

本家『Escape from Tarkov』ですら、ユーザーの強い要望に応えて「PvE Zone」を実装し、大好評を得ています。「対人戦のストレスなく、世界観と探索を楽しみたい」という層は確実に存在するのです。

もし『ARC Raiders』に「報酬が少なめでもいいから、PvEのみで遊べるモード」があれば、友人を誘ってワイワイ巨大ロボット狩りができる最高の協力ゲームになっていたでしょう。現状の仕様では、ライト層や協力プレイ好きを誘うにはハードルが高すぎます。

良い点もある:グラフィックと「漁り」の楽しさ

批判的なことばかり書きましたが、素晴らしい点もあります。

  • 美しいグラフィック:Unreal Engineによるレトロフューチャーな世界観の描写は圧巻です。廃墟やメカのデザインセンスは抜群で、ただ歩いているだけでもワクワクします。
  • サウンドデザイン:遠くで響く銃声、巨大メカの駆動音、環境音。音の定位もしっかりしており、没入感は高いです。
  • ハクスラ要素:持ち帰った素材で武器を作ったり、拠点を強化したりする楽しみは、脱出シューターならではの中毒性があります。

総括:素材は極上。しかし「誰のためのゲームか」で損をしている

『ARC Raiders』は、美しいグラフィックと面白いPvE要素を持ちながら、「TPS視点の待ち有利なPvP」と「殺伐としすぎたプレイヤー環境」が、その魅力をスポイルしてしまっている印象を受けます。

「騙し合い上等、裏切りこそが脱出シューターの醍醐味だ!」という鋼のメンタルを持つ人には、刺激的で最高な遊び場になるでしょう。

しかし、「仲間と協力して強敵を倒したい」「理不尽な死にストレスを感じたくない」という人は、現状では手を出さない方が無難かもしれません。今後のアップデートで、PvEモードの実装や、ソロプレイヤーへの救済措置が来ることを切に願います。


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この記事を書いた人

趣味がゲームの30代会社員です。
このブログでは思ったままに雑記していきます。

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